……はぁ。めんどくさくてたくましくて痛々しくて自己中で暴力的なぐらい周りを振り回す女ってどうしてこんなにも魅力的なんだろうな………。
最初に言っておきます。ネタバレしかしないです。これから観ようと思ってる人は読まないほうがいいです。初見はスクリーンであのぶん殴られる感覚を味わってほしい。
正直、最後の愛(演・山田杏奈)の一言まではそこまでブッ刺さってはいなかったんですよ。
普通に面白いし、山田杏奈かわいいし、でもこの物語はどこに着地するんだろう?あっちこっちに手を伸ばしては引っ込めて、まとまりつかなくなってない?とか思ってた。
しかし、そこであの最後の一言。控えめに言って射抜かれた。ちょっと前にバズツイのリプ欄で散見された「おちんちんランド開園」のフォントで脳内に 「性癖」 と刻まれた。例えが汚いのは申し訳ない。伝わる人には伝わると信じてる。
言ってしまおう、これは百合です。まごうことなき百合です。めちゃくちゃ遠回りの百合です。Boy meets girl ならぬ Girl meets girl です。
今更ですが途中までのあらすじを。愛はたとえ君が好き。たとえ君には美雪という彼女がいる。それを知った愛は美雪に近づいて、肉体的に抱きます。
いやぁクレイジー。ここだけ切り取るとヤバくないですか?正気であれば、いやお前たとえ君が好きなんじゃないんかーいとなるでしょう。そういう倫理観はこの物語に於いて必要ありません。考えるな、感じろ。
でもこのクレイジー展開を視聴者に納得させてしまう力が山田杏奈ちゃんにはあった。たとえが好き。たとえを知りたい。たとえが好きな女を見てみたい。弄びたい。めちゃくちゃにしてやりたい。そしてたとえを振り向かせたい。そんな感情の経緯を、説明台詞もないのにものすごく自然に理解(わか)らせてくるんですよ。撮影当時山田杏奈19歳、末恐ろしすぎる。
ただ、いくら百合厨のわたしでもこれだけじゃ「百合!!!」なんて言いません。正直興奮したけど!美少女に襲われる地味子展開美味しいって正直思いましたけど!←
だから最後の一言なんだってば。あれがこの物語のすべて。もはや愛の本来の目的であったはずのたとえ君すら空気。あの瞬間、すべてが百合になる。これまでの愛の暴走がすべて百合へのプロローグになる。ありがとう、世界は美しい。
多分、この映画がブッ刺さる人ってすごくマイノリティーだと思うんですよね。
後ろの席でお友達とジャニーズJr.を見に来たであろうお嬢さん、貴女には恐らく刺さってなかったでしょう。終わった瞬間でかい声で「意味わかんないw」と話していたのをわたしは聞き逃さなかった。
それもそのはず、これは同性のお友達と2人で和やかに鑑賞する映画ではないし、たとえ君(ジャニーズJr.)は最終的に空気になるんだもの。この映画は「めんどくさい女を愛好するめんどくさい女のため」の映画だもの。つまり俺。
性癖がマイナーだからこそ何となくチケ取ってドンピシャにハマった時の爽快感たるや。
この瞳孔かっ開いて物語に没頭する感覚のために映画観に映画館来てるとこあるよな……としみじみ思いました。
とりあえず、
・山田杏奈のビジュが好き
・百合が好き
・自己中暴走機関車女に耐えられる
・ちょっとエッチな展開に耐えられる
そしてなにより
・めんどくさかわいい女を浴びたい
そんな貴方は是非観に行きましょう。上映館少ないけど何とかして観に行きましょう。ついでにお友達になりましょう。
久しぶりに性癖ドンピシャ!!!な映画を観れてめちゃくちゃ嬉しい。この監督ワイと歳が4つしか違わないってマジ!?天才じゃん!あー面白かった!!
〜以下どうでもいい話〜
パンフ見てて気づいたんだけど、これR12なんだね。結構エッチだったけど隠部と乳首は隠れてたからオッケーなのかな?12歳にこれ観せたら確実に性癖歪んで大変なことになるからおすすめしない
〜完〜