9月30日 土曜日
もう9月が終わるのか、と思う。9月に入っていきなり気候が穏やかになったことぐらいしか記憶に残っていない。私はこのひと月何をしていたんだろうか。覚えているはずなのに覚えていない。
昨日は飲み会だった。といっても私は下戸なので、ずっとジュースを飲んでいた。ノンアルコールのカクテルってそれはもうカクテルではないような気がする。
そこそこには楽しかったが、やはり疲労がすごい。己と著しく乖離した思想を持つ人と会話すると疲弊する。一から十まで全く同じ思想を持つ人間など存在しないと頭では分かっているが、やはり近しい思想を携えた人と仲良くなりやすいのだろうな、と肌で実感した。
それでも人に会いたい、人と会話したいと思うのは本能に近い何かだろうか。人の数だけ思想がある中で、近しくも反発し合わない思想の人間を見つけ出し、睦み合う仲になる。そんなの無理ゲーじゃん？とか思ってしまうのだが、市井には既婚者が溢れているので、一般的にはそうでもないらしい。
すごいなと思う。皮肉ではなく素直に。
私にはできる気がしない。ただの経験値の低さによるものかもしれないが、できる気がしない。人の思想は総じて煩わしいような気がしてならない。己自身の思想すら煩雑で面倒なのに、他者のそれにまで付き合っていられるものだろうか。分からない。
午前中、久しぶりにジムに行った。凝りが甚だしかったのか、念入りにストレッチ兼整体的なものを施された。私の腕のフィットネスバンドを見て、変わりました？と聞かれた。確かにひと月ぐらい前にカバーというかバンド部分を交換していたので、よく見てるな…と思った。ひと月前に客がつけていた腕時計のデザインなどそんなに覚えているものだろうか。接客業の人間には朝飯前なのかもしれないが。
昼食を食べた後、街に出て買い物をした。大きな目当てがあるわけではなかったが、ちまちまとした小物の買い物が目当てだった。
食器洗いの時に使うオカモトのゴム手袋。推しが掲載されている雑誌2冊。疲労に効くらしいアミノバイタル。レブロンの新作マットリップ。祖母から頼まれたコンシーラーのお使い。ノンアセトンの無印の除光液。
とまあ、とりとめのない買い物をしてさっさと帰途についた。帰宅途中の電車の中で、雨が降り始める瞬間を見た。駅のホームのコンクリート製の床にぱらぱらと水滴が落ち、独特の水玉模様が時を追うごとに増殖する。ただの雨なのだが、その床面だけ見ていると細胞が分裂して増える様子にも見えて少しゾクゾクした。
もう少し眺めていたかったが、そこは私の降車駅ではなかったので、強制的にドアが閉まり次なる駅へと走り出した。そりゃそうだ。
昨日の余波にあてられて今日はあまり快く動けなかった。部屋の片付けも進んでおらず、ドラマの視聴も出来ていない。少し自分のことを考えすぎたかもしれない。現実を見ないためにエンタメを見ているのに。
今日できなかったことは明日の私に期待して、さっさと床につくのがいいかもしれない。でも少し物足りないし、勿体無いような気持ちになる。今からでも何かドラマを観るかな。幸いというべきか、いまTVerでこれでもかと過去作が配信されている。
明日は行きつけの美味しいパン屋さんに行く予定だ。遠くではないのだけど少し距離があって、仕事のある日に行くのはやや難しい。明日は休日だから、余裕を持って行けると思う。いつ何を食べても美味しいのでとても好きなお店だ。末永く営業していてほしい。
猫は今日一日中寝ていた。畳まれた私の布団の上で寝ていた。私の匂いがするのではなかろうか。猫の嗅覚ってどのくらいだっけ。犬ほどではないにせよ、そこそこに強力と聞いた気がする。
ではね。食欲の秋。🥐
