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ツイッターでまとまらないこと

尿意が怖くて外に出れなくなった話~心因性頻尿~

 

突然ですが皆さんトイレには行きますか。

 

このページを見ている方はほとんど行くんじゃないかなと思います。もしかしたら事情があって行けない人もいるかもしれませんが、皆行くよね、ということにして話を進めます。

 

皆さんトイレ行きますよね。時には漏れる漏れるあっぶねー!!なんて経験も1度くらいあるんじゃないでしょうか。でも行ったらひとまずスッキリ、それが普通。だがそれが泌尿器系の異常はないのに行っても行ってもトイレ行きたい、頻繁すぎて日常生活もままならないという病気があります。これは題名の通り私が尿意が怖くて外に出れなくなった話であり、心因性頻尿という病気のお話です。先に言っておきます、「私はこれで克服しました!!詳細はコチラ!!」的なのはありません。現在も治療中だからです。でも今はある程度外出できるようになりました。経緯について順を追って説明します。

 

なお、これはあくまで私個人の話であり、症状についても状況についても人それぞれだということは前置きさせていただきます。それを踏まえてこんな病気があるんだ~と思って頂ければ幸いです。

 

あと確実に長くなります。ご覚悟の上でお読みください。よろしければGO

 

 

始まりはですね、そうでした、中学生の頃です。私は授業中にトイレに行きたくなりました。なかなかピンチ。漏らしちゃあかんと思って「先生トイレ行っていいですか!」って言って行きました。ここまではまあよくあると思います。

 

その20分後ぐらいだったかな。私はまたトイレに行きたくなりました。おかしい。まだ授業は続いてます。しかも大小で言えばさっき小に行ったのにまた小に行きたくなったんです。小の次大だったらまだ分かるじゃないですか。小の次小です。いやさっきスッキリ全部出したやろと。膀胱まだ溜まってないやろ。なのに行きたい。さっき行った手前また行く勇気は無い。まあまあパニックになって、どうしようどうしようと思いました。呼吸が整わない。そのうち周りも「顔真っ青よ?大丈夫?」と聞いてきます。これはちょっとやばいと思って、もう一回先生に言いました。

「保健室行っていいですか」と。

 

もう一回「トイレ行っていいですか」と言う勇気がなかったんですね。保健室ならいいやろと思ったのかな。複雑な乙女心。

そしてまた怪奇なことに、保健室行ったら尿意がスッと収まったんです。トイレ行ってないのに。結局その後はトイレ行って、もう一回教室に戻って、普通に授業を受けました。

それからというもの、私の身体が何かちょっとずつちょっとずつおかしくなっていきました。

 

例えばその1。突然朝起きられなくなる。

もともと寝つきは悪いけど起きたらさっぱりといったタイプでした。それが突然低血圧の人みたいになったんです。朝友人が家の前で学校行こうぜーと声をかけてくれてたんですけど、その時間になってやっと起きて「ごめん先行ってて」と言ってたのを覚えています。

その2。やっとこさ学校へ行ったはいいものの教室に入って席に着いた途端襲う尿意。いやさっき行ったよトイレ~?また~?膀胱く~ん??と聞いても収まらない尿意。このあたりから次第に授業に行くのが億劫になりました。だって席着いた途端猛烈な尿意に襲われるんだもの、授業どころではない、まじで。たかが尿意されど尿意。

 

あ、言い忘れてましたが尿意はあるんですよ、あるんですけど、いざトイレに行ったらほとんど出ないんです。はぁ?ってなりますやん。もう本当、普通あの…その…小の音ってジャー―って感じじゃないですか。もうポトッ…ポトッ…ぐらいですからね。お前は雨あがりの雫か?ってぐらい。なんとか内蔵絞ってそれぐらい。なのに席着いたら数分後に猛烈な尿意。訳が分からん。そしてまた行ったらポtエンドレス。

 

席に着いたらってとこがミソで、当時はまだ席に着かなければ大丈夫だった。だから私は図書室に行ってました。何で図書室?保健室とか特別何たら室じゃないの?と思われたでしょう。図解します。

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位置図

図書室が一番トイレに近い。以上。あと先生が優しくて好きだったのも単純に本が好きだったのもあります。授業行けないとやることないから本を読みまくってました。

教室には席にブチ込まれたプリントの山とかを取りに行ってましたね。気配を消して。

その頃にはもう教室行ったら尿意即尿意だったから長居できないわけです。存在を消してプリントを素早くカバンに詰め込み即退出する芸人してた。

 

その頃からだったかな。苦手なものが出来ます。それが電車です。

ほら、一定時間トイレに行けない状況に詰め込まれるわけじゃないですか。それがもう苦痛。一駅一駅止まるごとにもう一旦降りたろかな、そして駅でトイレ借りようと何度思ったことか。今でも備え付けトイレのない電車は苦手です。駅でトイレ行って、それでも襲う猛烈な尿意。どうせ出ないのに。つらい。

 

そんぐらいになって初めて病院に行きました。当時は小児科(小児って年齢でもない気がするけれど)。尿検査。結果何も異常なし。えっ。

心療内科に行きました。状況によって尿意が変わるのは自覚してたのでこれは心の問題だろうと。結果「自律神経失調症」。おお。

 

今思うとこの診断はちょっと違うと思う。朝なかなか起きられなかったのが重視されたのかな。私の説明が足らなかったのもあるかもしれない。

で薬処方されて、飲んでたんだけどそれは全く効かず症状は悪化していきます。そりゃな。

 

少し時間が経って、症状が悪化して、私は外に出るだけで尿意に襲われるようになりました。これはもう学校どころではない。いや学校頑張って行ってたんだけど、通学に20分ぐらいかかるんですよ。その途中にあるスーパーでトイレ借りて、でもトイレ常に行きたくて。もう漏れそうみたいな精神状態になるんです。漏らすことは幸いなかったんだけど、行く途中で泣いてた。図書室に行ったら落ち着くんです、トイレがすぐそばだからね。こんな状態でも不登校にはなりたくなかった。もうただ意地ですね。

まあそんな意地も長続きせず不登校、もとい引きこもりになるわけですが。

 

この病気の面白いというか変なところは、家にいる限りはまったくトイレ近くないんです。寝てても同様。普通に朝までというか昼までぐっすり。でも外に出た途端尿意。何でやねん。

 

元がインドアな人間じゃないもんですから、そりゃあストレスが溜まっていきます。母にもあたったしわんわん泣くし。何で私がこんな!!みたいな。夜になる度に泣いてたような気がします。母とご近所さんごめんなさい。

そんな状況を見かねて家から歩いて10分の心療内科に車で連れていかれました。前のとは別の。そこでやっと「不安障害・心因性頻尿」という病名がつきました。

 

中学は義務教育ですから、行かずとも時間がたてば自動的に卒業できます。で卒業して、通信制の高校に入りました。とてもじゃないけど授業なんて出れる状態ではなかった。中学の先生が色々調べてくれたみたいで、母に教えてくれて、入学試験は作文のみ。まー有難かった。有難う通信制高校と中学の先生。

そして今回の病院では投薬治療がわりとよく効き、いろいろ試行錯誤しながらちょっとずつ家を出れるようになりました。ほんの少しその辺を散歩してみる。ちょっとコンビニまで行ってみる。トイレ休憩を挟みながらちょっと遠くまで散歩してみる。トイレ付きの電車に乗ってみる。というような感じ。そんなこんなで浮いたり沈んだりしながら3年経ち高校も卒業。

 

高校を卒業した頃にはトイレ付きの電車には一人で乗れる、行きなれたところ(トイレの位置を把握してるところ)なら滞在して割と普通の人のように遊べるようになってました。それでもトイレのない電車は息が詰まるし行列は並べないし自由にトイレ行けない状況は無理ですが。

そしてそれがそのまま今現在の状況でもあります。今何をしてるかというと、高校卒業して暇な私に親戚の職場に人が足りない、猫の手でも借りたいから誰でもいいから来てくれという棚からぼたもちな知らせが舞い降りそこでバイトをしてます。事務?雑務?です。通勤電車にトイレがあるのと、徒歩の時間が短いのと、何よりいつでもトイレに行けるのが有難い。なんせずっと引きこもってたものですから、昼夜逆転を治しつつ外出に慣れつつのリハビリ中です。「いつでもトイレに行ける」という状況であれば家でなくても割と落ち着いています。何よりトイレ。トイレ大事。たかがトイレされどトイレ。

 

以上が私の病気の事の顛末です。長々とお付き合い有難うございます。先に言ったように完全に治ってはいません。でも、一時は外に出れなくなった時に比べればものすごくマシというものです。

何故このブログを書いたかというと、私が引きこもり状態になった時それこそ病気をネットで調べたりしたんですが、あまりライトな日記のようなこの病気を記したものが少ない。ヘビーなものはあるけど読んだらより苦しくなりそうで読んでない(笑)。本屋にも自律神経失調症など有名な病気に関する本はあっても、この症状について書かれたものは少ない。そもそも本屋に行けないし。

それで何か軽ーく読める媒体で私の体験を共有して、「へえそんな病気があるんだ」、今同じようなことに悩んでる人に「もしかしたら私もこれかも」と思って頂ければと思い筆を執…パソコンを開きました。自分だけではないってだけでもだいぶ気持ちが和らぐ…和らいだら…いいな?という希望も含め。

何せトイレに異様に行きたくなるってだけで本当にできることが狭まるんですよ。就職しようにも面接に行けない。学校に行こうにも授業に耐えられない。資格を取ろうにも試験が無理。電車に乗れないから遠出もできない。車に乗ったらしょっちゅうコンビニでトイレ借りたり。映画も楽しめない、ライブも同様。トイレに行けない!ってなるとめちゃくちゃ行きたくなるんですよこれが。

私はたまたま運よく親戚の職場に転がり込めて何とか直接人と関わる機会に恵まれたけど、いわばコネがなければずっと家で1人でぼーっとしてたと思う。バイトの面接にも行ける気がしないし。お金も貯まらないから使えないし、だったら家でダラダラしてしまうと思う。根が怠惰なので。いつ治るかわからない病気で、いつか親も死ぬだろうし、お金を稼ぐことができずずっとこのままだったら…って考えるだけで暗くなる。ただでさえ学歴も才能も何もない。じゃあ努力しろって話ではあるんですけど、たかが外に出ることもできない状況だと努力する元気もなくなるんですよね。例えるならテスト会場に行けないからテスト勉強したところでダメ、みたいな。(例えが下手)

だからこう「いつでもトイレ行っていい面接」みたいなものがあればいいのにな…って思います。無理か。でも学生時代って授業という箱に詰め込まれるわけで、それよりは仕事の方が可能な気がするんですよね。いつでもトイレ行ける授業。いつでもトイレ行ける仕事。後者のほうが普通にありそうじゃないですか。在宅で働けば?ってなるかもしれないけど、学歴も才能も無いのにそんな一度も外に出ずに採用してくれるところはなかなかない。調べましたもん、「心因性頻尿 就職」で。Google先生で。あんまりパッとしなかったもん。何か良いのあったら教えてください(笑)

 

つまり私が書くことで私だけじゃないって思える人や、やたらトイレが近い知人にこれかもって提案できる人や、欲を言えば「トイレ行っていい面接や就職説明会」を開発してくれる人が出て欲しい…(笑)無理だろうな(笑)

やっぱり手に職があってお金があるって自信に繋がりますもん。仕事が原因で心体壊しちゃ元も子もないけど。そこを話しだすと大変なので突っ込まないけど。

 

今度こそ長々と読んでいただき有難うございました。この駄文に耐久したあなたに幸多からんことを。ずっと書きたかったので書けて嬉しい。私も治せるように頑張ります。またあなたに会えるのを楽しみに待ってさようなら~イイア~!!